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京都鴨川近辺を舞台にした小説を2つ読みました。
立て続けに読んだのでなんとも奇妙な感覚にとらわれました。
というか、後に読んだ方がデジャヴな印象に・・・。
両方とも大学生のはなしだし、作者はどっちも京大出身だし、結構
共通点あるかなあ、と思いましたです。
「四畳半神話大系」(森見登美彦/角川文庫)
ネタばれになるので話の構造については詳しく言えない(笑)
森見登美彦は「太陽の塔」を読んで以来気になっていた作家。
相変わらずの過剰な描写がめっちゃ笑える。
「太陽の塔」と同じく鬱屈した男子大学生の独白調なんであるが、
こっちの方が主人公が色んな登場人物とからんでダイナミックな印象。
女性キャラが魅力的だし、タイトルに反して爽やかな印象すらあります。
しかし、何より出色なのが小説の構成なのだが、ほんとこれは
言っちゃうと読む楽しみが半減(それは言い過ぎか、3割減くらい)するので
あえて言わない(笑)。
ちょっとだけ言うと最終章が途中からいきなりSFになってしまう。
厳密に言うといきなりでもないんだけど、これ以上は言えない。
気になる人は是非読んでみてください。読みやすいし面白いですよ。
「鴨川ホルモー」(万城目学/角川文庫)
先ごろ映画化もされたのでご存知の方も多いかもしれない。
私はハードカバーで出たときに本屋で見かけたのが初めての出会いなのですが、
その時は「ホルモーってなんぞ?」と思い、手にとってカバーをしげしげと
眺めただけにとどまったのであった。
その後旦那が買ってきた雑誌「怪」に映画化の報と作者のインタビューが載っていたので、そこで初めてそれがどんな作品か知りました。
そして「これはちょっと気になるなあ」と思ってたら旦那の友人でもある
高校時代の先輩がmixiにて「読んだ」と日記に書いていたので貸していただいた。
非常に読みやすく大変面白かったです。
京都の4つの大学に古くから存在するという謎のオニを操る競技「ホルモー」をめぐる青春物語です。
もちろんホルモーなんてのは架空の競技ですが(あとがきで何となく実在をほのめかす記述があったりするけど作者のサービスでしょう)。
そのホルモーのイメージは奇妙奇天烈で大変独創的なものなのですが、
そこで繰り広げられる青春のあれやこれやはむしろ「ベタ」と言ってもいいくらい。
正直普通に面白かったという印象。
逆にその普通の大学生のサークル的な雰囲気とホルモーの組み合わせが
新鮮と言えば新鮮でありました。
基本的に本筋と関係のないエピソードはほとんどなく、主人公の一人称で語られる上、主人公があまり社交的でないという設定だからか、主人公と絡まない
登場人物の描写もほとんど無いに等しいです。
なので非常にシンプルでわかりやすい構成になっていると思います。
気楽に読めるし文章の雰囲気も割と好きな感じだったので続編も機会があれば読んでみようかと思います。
さて、2作の共通点。
京都の大学生が主人公である。
そしてそれはどちらかといえば冴えない男子である。
鴨川デルタが出てくる(笑)。
主人公の一人称で語られる。
やたらと古風な言い回しを好んで多用する(笑)
登場人物たちは基本的に標準語を話す。
現代劇でありながらファンタジー寄り。
ヒロインは黒髪の乙女。
万城目学1976年生まれ。森見登美彦1979生まれ。
年はそう離れてないし、出身大学も同じ。
作家としてのデビューは森見氏のが先か?
同時期に活躍する作家として影響しあう部分もあったかもしれないし
あるいは単なるシンクロニシティーかもしれない。
まあ、似て非なるものではあると思いますが。
個人的には森見氏に軍配。万城目学の方が読みやすくて一般ウケな印象。
そういや「鹿男あおによし」もドラマ化してますね。
つうか、アレの原作がホルモーと同じ作者の作品とは知らなかった。
ちなみに今は「四畳半神話大系」とつらなる「夜は短し歩けよ乙女」を読み始めてます。